今回、格安で輪行函を作ることができたので報告する。輪行函か輪行箱か迷ったが函には「繰り返し使う」という意味があるらしいので輪行函とする。
上の写真はraptobikeの新幹線輪行の図である。シートバッグを含めると17㎏弱のraptobikeを担いで駅を歩くのはやはり辛い。LCCの運賃が新幹線より安いこの時代に、輪行函で飛行機で輪行したい!そういうわけでカスタム注文の段ボール業者を探すことにした。以前raptobikeのtillerを3000円ぐらいで見事に溶接してくれたのも台東区。台東区に行けばなにかがある!!と言うわけで最初に目に留まったのは栄光堂であった。
あんまりオシャレじゃないお店でも工場でもない、むしろダンジョンの入口みたいなところで栄光堂のオヤジと相談。「大きさはでかいんですけど…1660mmx350mmx760mmで…」「でかいなあ。ナニ入れるんだよww」「蓋はまぁアレだなぁ~一番安くできるみかん箱式でいいだろ?」「で、何個?一個?まあ、そうだろうな」などと全く書面を交わすことなく話して不安に思っていた翌日電話が。なんと1890円で1日で出来てしまった!!
このraptobike専用輪行函、価格は驚きの1890円であるが、何事にも前例というか失敗例というものがあって、実はこいつの前にサイズを口頭で注文したせいで長さ1160mmで出来てしまったできそこないがあった(こちらのお値段は1155円!)。ただ、このできそこないもカッターで適当に切れば厚さ8mmの立派な段ボール板なのでrapotbikeとWH6700の間を挟む閾板として利用した。厳密には1890円だけではないことは書き添えておく。
さてこうして格安で輪行函を手に入れたのだが、実際の旅行ではどこに預けるかが問題である。カンガルー自転車便やヤマト便なら宿になるだろうが、飛行機輪行では空港に置くしかない。宅配業者による輸送は到着日の3,4日前でないと使えないのが弱点だ。草レースなどのイベントならいいが今回の私のように突発的に旅に出たい!という向きではない。
いろいろあって行く先は福岡空港に決めた。福岡空港には国内ターミナルと国際ターミナルがあって、国際ターミナルで大型の荷物も預かってくれることが分かったからだ。ここに折りたたんだ輪行函を預けてみると1日500円であった!!たぶん俺の人格と日頃の行いのせいだが、コンパクトに折りたためるみかん箱式輪行函の利点による部分もあるだろう。
福岡空港は国内ターミナルと国際ターミナルは無料バスで移動でき、片道10分なのでちょっと出発が遅れてやきもきするが、福岡空港のこれらのサービスには、かなり満足だ。
今回の飛行機輪行は大成功であった…とは言いがたいのは自動車に関係する金と時間だ。自宅から成田まで人と輪行函をK12マーチで運んだのだが、ガソリン代・高速代もかかるし、成田空港P3駐車場の料金が1日1500円かかる。せっかくLCCで新幹線より安く輪行しようと思ってもこれは痛い。
また首都高の渋滞で失う時間的ロスもある。バブル期を経験した私にとっては「ずいぶん首都高の渋滞も減ったなあ」と思うが、やはり新幹線との時間差の比較では痛い損失である。
そして成田空港P3駐車場の不便さである。駐車場に居た職員さん曰く「歩道もカートもないから安い」とのことで、実を言うと、ここから第2ターミナルまで24kgの輪行函を手で持って歩くのがこの旅一番の難所であった。距離は大したことないが駐車場の出入り口の車道ありゲートの脇をすり抜けたりで、全く利便性がない場所を大荷物を持って歩くので苦行に近い。
とにかく、輪行函を駐車場から運ぶ前に、空港内からカートをどこまで近くに持ってこれるかが勝利条件になる。一度カートに載せてしまえば、内外の航空会社が制限してる超過手荷物の大きさ、つまり3辺の合計2770mmとか、1辺の長さ1900mmらしいのだが、こうした制限の枠に収まっている荷物であればカートに載せても空港内でつっかえて動けなくなることはない。とにかくできるだけ早くカートに輪行函を載せる。飛行機輪行の肝はそこにあり。
今回私はJetstarを利用した。WEBで事前に超過手荷物を登録しておけば料金は安くなる。このraptobike輪行函の重さは中身のraptobike込みで24㎏弱なので料金は25㎏までの1600円が適用される。WEBの予約画面ではプルダウンメニューのなかで「25㎏の超過手荷物あり」ということを表す選択肢を選べばよく、自転車であることはカウンターで告げればよい。ということは出発30分前なんてギリギリの時間帯でこんなでかい荷物であることを知らされるほうとしては、エアバス320の容量もあってかなり嫌がる。「函が壊れてもいいですか?」とか「積めなくても文句言わないでください」とまで言われる。まあそうだろう。超過手荷物の届け出は場所取りの要素もあるので利用する航空機が小さい機体であればあるほど、できるだけ早い時間に行うことが重要だ。