インターネットでこの手の話題を検索すると「汚名返上が正しい。いや違う!」ときのこタケノコ論争みたいな糞の掛け合いが見られますが結局最初に言い出して「声に出したい日本語」みたいなウンコ本を売ることに成功したどっかの大学の先生が儲かっただけの話。それに乗っかる人間は間違いなく養分。俺は「HENJO~」みたいな言葉だと腹に力が入らない。問題はこの一点のみ。「BANKAI!!」なんと腹に力が入る言葉だろう。「来年こそは、ちゃんとしたサイクルウェアを着て600kmで汚名挽回だ!!」こうでないと言葉じゃないですよ。あんまりみんな挙げませんが、私が一番記憶に残っている”汚名挽回”はコロコロコミックで轟一番が言ってた場面です。話の内容は鉛筆がどうのとかワケ分からない漫画ですが、少なくともあのシーンはカッコよかった。私は右顧左眄して周りの様子を伺いつつ恐る恐る「お、汚名返上…」とブツブツ呟く弱弱しい人間にはなりたくないです。
さて。
千葉600もリタイヤ。
泥除けが壊れたこと、GPSの平均速度の表示が意図しない値になったことなど、あるけど、やはり普通の普通のTシャツにジャージといういで立ち、特にパンツを普通の下着で走ったのが原因だった。DNFして帰宅してみると脚の付け根、内股あたりがパンツのラインにそってうっすら化膿していた。私の経験ではこれは疲労した筋肉にも炎症や痛みを引き起こす原因である。(と私は信じている)やっぱり自転車に乗るときはサイクルウェアで。ということですね。
とりあえずまとめ。
・悪かったこと。
1)ウェア、紫外線対策。
2)泥除けが壊れた。
3)GPS頼みは良くない。キューシートに時刻を。
・良かったこと。
1)それまで平均17km/hも出せなかった自分が平均20km/hでホテルに飛び込めた。(タイヤの空気圧)
2)windows phoneであるkatana01。
3)補給その他、300km以上のブルベが初めて楽しいと感じたこと。
悪かったこと その1。ウェアについて。
そもそも、リカンベントで100kmや200kmなら普通のTシャツにジャージという格好で問題がなかったからこそ、この600kmまで走ってきました。でも300km、400kmは皮膚が擦り切れてもなんとか走り切っていた状態だったのがこの600kmでハッキリしました。思えば最初にランドネきたかん400kmを勝手ブルベで走った時、落車して(これがブルベ唯一の落車)おもくそピチピチパンツを破ってしまい、帰りの常磐線でお尻をプリプリ丸出しにしながら帰ったのが恥ずかしくて「もうレーサーパンツ穿かない!!」と思った由。しかし今回のことで思い知りました。(尻だけに)リカンベントにパッドは要らぬとか言ってる場合ではない。長距離は「下着はないほうが皮膚が擦れることによるトラブルが減る」コレ基本ですね。
紫外線対策については今回BRM917をアームカバーなしで走ってみたんですがずーっと曇り空で時折雨がパラつく程度というまさブルベには絶好の条件で、こんな天気であれば日焼けに関しては市販の日焼け止め(アネッサのSPF50+)で十分ということを確認…なのだが、どうしても腕で顔を拭いて「目が~!!」状態に。癖は簡単には直らない。とにかく目が見えない、見え辛いのは困る。危ない。ホントに危ない。
おまけにサングラスやらバックミラーやらGPSにも日焼け止めのベタベタがついて、これが走っている最中自分の息や霧がついて視認性ガタ落ち。息がバックミラーにつくぐらい荒い時って重要なシーンですよ。ちょっとしたことが事故になるようなミスを誘うかも知れない。やっぱり危険を招くようなことはどんな小さなことでも避けるべきです。アームカバーも必須アイテムにしましょう。日焼け止めは首の後ろを護るのがメイン。そして頬につけすぎないように。
その2。自分でつけた泥除けがぶっ壊れたw
泥除け自体は406についてたSKSを、2mm厚のアルミ板で位置をずらしてつけてたのですがそのアルミ板が折れてしまいました。なんでこんなことしてまで位置をずらしていたのかはorigamiが折り畳みの際シートステーが可動するため。
てっきりネジ穴の弱いところから折れたと思ったら金属疲労が分かりやすい折れ方です。ちなみに折れた場所は片倉ダムから有料道路通って鴨川へ降りるところ。70km/hぐらいしか出してないのに…(ウソ。70km/hはワタシに出せる最高速度)
原因はアルミ板をガッチリ固定していたからでしょう。ナイロンナット+ゴム板で「わざとぐらぐら作戦です!」。これは一味違うはず。早く600kmに再挑戦したい!
悪かったことその3。GPSの平均速度表示について。
eTrex LEGEND HCxの話ですが、ホテルに宿泊して、指定の時間に目覚ましで起きて、さあ再出発だ。eTrexよ頼むぞ。と電源を入れたら平均速度が19.8km/hのままだった時はショックでした。なにを任せても安心だった副隊長が突然「…わに!」とか言い始めた気分です。自分はブルベ走行中、全部このeTrexの平均速度を状況判断の基にしていました。次からはホテルに着いたらUSBでもつないで測位しっぱなしにして「今は動いてないぞ」ということをGPSに教えつつ、電池交換は出発寸前に行う…といったことしか対策はないですかね…。
結局GPSの表示する平均速度が頼りにならなくなった瞬間、私の自由度、ブルベでやりたいこと、楽しさは激減しました。自分の位置が分からない。(空間的な位置は分かるけれど時間的な意味で)なにをどうしたらいいのか分からない。精神的に苦しいのは肉体が苦しい以上に苦しいです。ブルベの途中で走るのが楽しくなくなったらDNFしてもいいんじゃないかなあ。
とりあえずGPSが想定外の状態になった時に備えてキューシートに各ポイントの通過予定時刻を書き加えておくべきでした。特に今回初めて平均19km/hで300km以上走ることができたので、最終締め切り時刻の平均15km/hの欄と、理想的にコトが運んでいることを示す時刻の平均19km/hの欄を並べておけばよさそうです。
それにしてもこのeTrex LEGEND HCx、というか初代eTrexと合わせて、私のGARMINはフリーズしたことが一度もないんです。でも最近の多機能になったGARMINは違うようですね…やっぱりGPSにあまり頼らない走り方も探求しておく方が、今後のためにもよさそうです。
話が長いので良かったことはMORE以降で。
良かったことその1。
平均速度17km/hからいっきに19km/h、時折20km/hまで持っていけたのは空気圧をそれまで5barあたりだったのをシュワルベDURANOの適正空気圧の最大8Barまで入れることが出来たからです。
それがこのrim plugs。veloprugsという商品名かも知れません。とにかくミニベロ用のリムテープは弱い!8barなんてそこそこ高圧にしたらすぐパンクの原因になってしまいます。いくつかリムテープを試したんですが、このrim plugsならタイヤの限界までいけそうなので海外通販で大量購入。この度の満足の走りになりました。そういえば700cでは普通に売ってるリムテープで問題を感じたことはないのでミニベロは舐められてるんですかね…とにかく空気圧は(適正の範囲で)高い方がいいです。
良かったことその2。
katana01大活躍。といっても静かな活躍なのですが。simple latitudeっていうwp7の頃からwindows phoneで地図を見るなら定番のgmapを作ってるところが作ってるアプリがありまして(ちなみにwp7の頃、何も知らない日本人はwp標準地図を見て「windows phoneって使えねえなあ~」とか言ってたんですよね…。本当に滑稽でした。あれは自転車で言えばサドルをおもくそ下げて「自転車って時速15kmがやっとだろ~使えねえなあ~」と言ってるのと同じですね。しかしASCII、インプレスぐらいの大手サイトでも堂々と言ってたのがビックリでしたね…)
simple latitudeのお陰で妻は常時私のおおよそ位置を把握していました。これは重要です。リタイヤを決断して車で来てもらう時も、妻はだいたいの位置が分かっているわけですから非常に話がスムーズでした。しかも最初のホテル休憩時、katana01の電池残量をみてビックリ。90%か80%以上残ってました。(もちろんリタイヤ時に通話するとみるみる減ったんですがw)
最後に。
補給については前回ランドネきたかん400kmで「腹が弱いから全部SHOTZでやってみる」とか今から考えると呆れるほどアホなことをやってましたが、初めて東京→大阪に挑戦して失敗し名古屋まで行った時のことを思い出して脂っぽいものを食べてみて、今回、結構成功しました。前日の夜にテンプラ食ってもOK、ブルベの序盤に揚げパン食っても大丈夫というかむしろ調子が良かったです。
またメイン補給食となったのは”お粥”です。お粥と言ってもコンビニで手に入るカップみそ汁やカップ豚汁におにぎりをぶち込んでお湯をかけたものです。これが実にお腹に良いし、炭水化物のお米や塩分、お好みに合わせて豚肉などを摂取できます。
そして牛乳の存在を忘れていました。1日目の深夜や2日目のホテルから出た直後など睡魔が怖い時間帯のカルシウムは眠気を誘いますが、それ以外の時間帯であればこれほどお腹を守ってくれてかつ他の固形物と合わせておいしいものはありません。補給もなんとか自信がついてきました。
ブルベが滅法楽しくなるには、こうした補給のやり方が分かってくることと、平均速度19km/hが一つの目安かも知れません。今回DNFになりましたが、本当に走ってて楽しかったです。19.9km/hでコンビニについて19.3km/hになったりして「やれやれ」とか、以前は夢の世界でした。600kmでホテルでマトモに休めるとは思いませんでした。それもこれも「600kmなんて絶対無理だ。やめるべき」という状態だったのに、挑戦したからです。あとはウェアさえちゃんとしてれば…いや、泥除けの取り付けが素人仕事だったからやはり無理ですね。少しずつ正解に持っていくしかないですし、それが楽しいみたいです。
ブルベ600はX1にゼビウスを移植するような作業かも知れません。はじめは絶対に無理だ!と思ってるのになぜか挑戦してしまう不思議さがあります。そして原因を一つ一つ発見して理解して解決していく。鍵は実践のなかにもあるし他人との会話のなかにもあります。その過程は確かに複雑ですが、アマチュアらしく、フェアで、意地悪な要素が全くありません。素晴らしいことだと思います。