漫画を描くのは十数年ぶりだ。
なぜかアイドルマスターのキャラならスイスイ描けることに気がついた。なんでだろう。うまい下手は別にして、とにかく描けたことに我ながら感動してる。
マンガが描けないヤツは「なに言ってんの。絵がうまけりゃいつでも描けるだろ」とか言うが、そうではない。実技一本で某国立大に入って結局卒業してから「絵なんて自由に描けばいいんだ」と気が付き、就職して金に余裕ができてン万円もするタブレットと液晶とソフト買って漫画やろうと何度も挑戦してた。
だが、できなかった。技術もある。自由に描いていいことも分かってる。だけど、「描く気を起こさせるモノがない」という、どうしようもない壁があったのだ。
しかし、アイドルマスターの連中ならスラスラ描ける。(上手下手は別にして)こんな幸せなことはない。
アイドルマスターは80年代の、お気楽、無責任、とりあえず元気な女の子を、ぬるく、気軽に、音楽とか踊りとか、参加して遊ぶという、不思議な場を提供しつつある。別にゲームをしなくてもいいのだ。これをPROJECT IM@Sというらしい。
1980年当時の俺を思い出すと、”アイドル=資本主義社会による作られた虚像”と決めてかかり、踊らされている青年たちをバカバカしいものと見つつ、あんな風にバカになれていいな~とか、実際は踊り狂いたくてしょうがなかった。そういう少年であった。
当時の生意気な小学生というものは、はっぴいえんど→YMO、ナムコのゼビウスのゲーム論で中沢新一を知り、読書なんかもえらい難しいの友達と競って読んでた。インターネットどころか、ふざけるのが面白いっていう文化もそもそも存在してなかったと思う。(だからビートたけしが登場したときはカルチャーショックを受けた)
そして、おっさんになった俺は自転車に乗って体重100kgから75kgまで痩せるぐらい10代のころ動かさなかった身体を動かしまくっている。アイドルマスターの振り付けを人知れず練習しているのもそれと同じような気がする。若いころはっちゃけることができなかった生きるチカラみたいなものを、アイマスのバカ騒ぎに乗じて感じている。
(夕刊フジ)「アイマス」人気で、「Xbox Live」加入率が世界一!
(日経産業新聞 3月7日2面特集「配信 地平を拓く」)